これまでの焼成炉は、ヒータやガスの炎などを熱源に、焼成物に対して外側から加熱焼成していました。そのため従来炉では、焼成物の表面と内部に温度差が生じてしまうので、時間を掛けて昇温する必要がありました。
マイクロ波焼成炉は、この問題を解決できます。
マイクロ波焼成炉は、従来炉とは反対に内側から加熱します。MRK-3050/3060ではこれに加え、炉内壁でもある等温障壁を同時に加熱することで、外部からの放射加熱もできます。
この内外2方向からの複合加熱により、従来炉で生じていた焼成物の内外の温度差が少なくなりました。これによりマイクロ波焼成炉は、加熱処理に必要な時間を、大幅に短縮出来るようになりました。
ヒータなどの熱源 ■外部放射加熱のみ 内部温度差発生→高速昇温不可 |
マイクロ波熱源 ■等温障壁による外部放射加熱 内部温度差なし→高速昇温可能 |
焼成時間の短縮例: 従来炉8時間 ⇒ マイクロ波炉2時間
・当社による超高速昇温試験(特殊サセプタ使用)
※注記 上記グラフはWeb用に加工してあります。
マイクロ波焼成炉の特徴である高速焼成により、従来炉に比べて焼成時間が大幅に短縮したため、消費電力を削減することができます。
<参考事例※>
焼成炉 | 指示温度 | 焼成時間 | 消費エネルギー | 焼成コスト |
---|---|---|---|---|
マイクロ波炉 | 1,200℃ | 2hr | 62kwh | 806円 |
従来炉 | 1,245℃ | 8hr | 310kwh | 1,662円 |
※注記:この結果は、土岐市立陶磁器試験所で行われた大型マイクロ波炉での比較結果であり、当製品(MRK-3050/60)結果はこれと異なります。
マイクロ波焼成炉MRK-3050/3060には、ガス配給パイプが標準で備わっております。ここからコンプレッサーを使用して、強制冷却することができます。